③後遺症による逸失利益

逸失利益は、仕事の内容が制限されることによる収入減少の補償であり、その算定は、労働能力の低下の程度、収入の変化、将来の昇進・転職・失業等の不利益の可能性、日常生活上の不便等を考慮して行います。

計算式は、次のとおりです。

 

逸失利益計算式

交通事故前の基礎年収×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

 

①基礎収入とは

給料のイメージイラスト基礎収入は、基本的には事故前の現実の収入となります。

しかし、将来、現実収入以上の収入を得られる立証があれば、その金額が基礎収入となります。

また、現実収入が賃金センサスの平均賃金を下回っている場合、将来、平均賃金程度の収入を得られる蓋然性があれば、平均賃金が基礎収入として認められる可能性があります。

基礎収入について、よりくわしくは後記をご覧ください。

 

②労働能力喪失率

車椅子で仕事をするイメージイラスト労働能力の低下の程度については、国が定めている労働能力喪失率表を参考とし、被害者の方の職業、年齢、性別、後遺症の部位、程度、事故前後の稼働状況等を総合的に判断して決定されます。

労働能力喪失率については、こちらをどうぞ

 

③労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

【労働能力喪失期間】

・労働能力喪失期間の始期は症状固定日です。ただし、未就学者の場合は、原則として18歳が始期となりますが、大学卒業を前提とする場合は大学卒業時となります。
・労働能力喪失期間の周期は、原則として67歳です。ただし、高齢者の場合、症状固定時の年齢が67歳を超えています。この場合、基本的には簡易生命表の平均余命の2分の1が労働能力喪失期間となります。
※後遺症がむち打ちの場合、等級が12級で10年程度、14級で5年程度に制限される傾向です。

>> 平成24年の簡易生命表についてはこちらからどうぞ

【ライプニッツ係数】

ライプニッツ係数についてはこちらからどうぞ

 

 

基礎収入について

基礎収入については、類型別にポイントを解説します。

 

【給与所得者(サラリーマン)の場合】

会社員のイメージイラスト原則として、事故前の収入を基礎として算出します。

現実の収入が賃金センサスの平均額以下の場合、平均賃金が得られる蓋然性があれば、それが基礎収入と認められる可能性もあります。

また、若年労働者(30歳未満)の場合、学生との均衡から、全年齢平均の賃金センサスが基礎収入と認められる可能性もあります。

 

【事業所得者の場合】

農業などのイメージイラスト自営業者、自由業者、農林水産業などについては、申告している所得額が基本となります。

もっとも、過少申告しているケースもあります。このような場合、実際の収入額についての立証があれば、その実際の収入が基礎収入と認められます。

また、所得が家族の労働などの総体のうえで形成されている場合、所得に対する本人の寄与部分の割合によって算定されます。

現実の収入が賃金センサスの平均額以下の場合、平均賃金が得られる蓋然性があれば、それが基礎収入と認められる可能性もあります。

 

【会社役員の場合】

仕事をする男性のイメージイラスト会社役員についても、労務提供の対価部分については、基礎収入と認められます。

しかし、役員報酬の実質が利益配当の性格の場合、その部分については認められません。

 

【家事従事者の場合】

家事をする主婦のイメージイラスト家事従事者については、賃金センサス(第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均の賃金額)を基礎として、収入が認められます。

また、パートタイマーや内職等の兼業主婦については、現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として算出する傾向にあります。

 

【無職者の場合】

失業者について

労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性があるものについては、基礎収入が認められる可能性があります。具体的には、再就職によって得られるであろう収入が基本となります。特段の事情のないかぎり失業前の収入が参考となります。失業前の収入が平均賃金以下の場合には平均賃金が得られる蓋然性があれば、賃金センサス(男女別)が基礎収入となります。

学生について

賃金センサス(第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別全年齢平均の賃金額)をもとに基礎収入が算定されます。女子年少者について、保険会社は女性労働者の平均賃金を主張してくることもありますが、男女を含む全労働者の全年齢平均賃金で算定すべきです。

 

 

 



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