⑤交通事故の慰謝料

慰謝料とは精神的苦痛の損額です。交通事故に遭った場合、この精神的な苦痛は、死亡した場合、傷害を負った場合、後遺症が残った場合に認められます。

以下、それぞれについてご説明します。

 

 

死亡慰謝料

裁判例によれば、死亡慰謝料は、被害者の方の立場等によって、下表の額が認められる傾向にあります。

類型 慰謝料の額
一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2400万円
その他 2000万円~2200万円

※上記は、あくまで目安であり、個別の事案に応じて増減されます。

 

 

傷害慰謝料

裁判基準(いわゆる赤本)によれば、障害慰謝料については、下表を使って算定します。

表の見方

例えば、入院4ヶ月で完治した場合 「入院」の「4月」の真下を見て、184万円となる。

4か月入院した後、通院を3か月行って完治した場合 「入院」の「4月」と「通院」の「3月」の交差する数値を見る。→218万円となる。

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※上記や一応の目安です。
・通院が長期間にわたり、かつ不規則である場合は、実日数の3.5倍程度が慰謝料算定のための通院期間の目安となることもあります。
・傷害の部位、程度によっては、上表の金額を20〜30%程度増額される可能性もあります。

むち打ち症で他覚症状がないなどの軽傷の場合、下表を使用します。
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この場合、慰謝料算定のための通院期間は、その期間を限度として、実治療日数の3倍程度が目安となります。

 

 

後遺症慰謝料

後遺症が残った場合、裁判基準では、認定された等級に応じて、下表の慰謝料が認められる傾向にあります。

慰謝料の額類型慰謝料の額

第1級 第2級 第3級 第4級 第5級 第6級 第7級
2800万円 2370万円 1990万円 1670万円 1400万円 1180万円 1000万円
第8級 第9級 第10級 第11級 第12級 第13級 第14級
830万円 690万円 550万円 420万円 290万円 180万円 110万円

上記はあくまで目安であり、個別の事案により判断する必要があります。

 

近親者の慰謝料

重度の後遺障害の場合には、近親者にも慰謝料が認められます。

(裁判例:1級の事案)横浜地判平成12.1.21

植物状態(1級)の小学生
母に800万円の慰謝料(被害者本人は傷害分424万円、 後遺障害分2800万円の慰謝料)

(裁判例:2級の事案)東京地判平成20.1.24

高次脳機能障害、右下肢短縮(併合2級)のトラック運転手
妻に200万円、子供二人に各100万円の慰謝料(被害者本人は傷害分2370万円、後遺障害分2770万円)

(裁判例:3級の事案)大阪地判平成17.4.13

高次脳機能障害(3級)の会社員
妻に300万円の慰謝料(被害者本人は傷害分400万円、1800万円、後遺障害分合計2100万円)

 

 

慰謝料の増減

交通事故のイメージ画像慰謝料について、死亡した場合、傷害を負った場合、後遺症が残った場合に分けて、一応の目安を説明しましたが、これらの慰謝料が増減される場合があります。

例えば、加害者側に、無免許、ひき逃げ、酒酔い、著しいスピード違反、ことさらに赤信号無視といった事情(重過失)があったり、著しく不誠実な態度等がある場合、慰謝料が増額されることがあります。

 

くわしくは交通事故専門の弁護士にご相談ください。


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