上肢(肩、肘、手首、手指)の主な傷病

舟状骨骨折(しゅうじょうこつこっせつ)

舟状骨骨折について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

TFCC損傷

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肩腱板断裂(腱板損傷)

肩腱板断裂(腱板損傷)について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

上腕神経叢麻痺(じょうわんしんけいそうまひ)

上腕神経叢は、首の部分の脊髄から出ている5本の神経から形成されています。上腕神経叢麻痺は、オートバイの転落事故のように、肩から転落して地面で強打した際に、上腕神経叢が引き延ばされて損傷してしまいます。5本の神経は、それぞれ肩や肘、手首、手指の運動をつかさどっており、損傷した神経の場所により、影響が出る部分が変わってきます

重い場合は、上司が全く動かなくなるため、5級6号に該当する可能性が出てきます。また、症状によっては、8級6号や10級10号などに該当する可能性があります。

 

鎖骨骨折(さこつこっせつ)

鎖骨骨折は、骨折の中でも多くの割合を占めるもので、細い骨のため、どの年代でも生じ得る骨折です。骨折しているかどうかはレントゲンで診断するのが通常です。骨折している場合は、鎖骨バンドで患部を固定します。骨折のズレが大きい場合には、手術を行い、プレートで固定するなどの措置をとります。なお、鎖骨は癒合するまで最低4~12週を要するとされています。鎖骨に著しい変形が認められれば、12級5号に該当します。

 

肩甲骨骨折(けんこうこつこっせつ)

肩甲骨は鎖骨の後ろ(背中側)にある骨を指します。症状としては、骨折部の腫れや痛みが主です。肩の後ろ側に痛みがある場合には、肩甲骨が骨折している可能性があります。肩甲骨のみが骨折することはまれで、肋骨や鎖骨の骨折を合併して起こることがあります。レントゲン撮影では肋骨に隠れてしまう場合もあるため、CT撮影での診断も行います。

 

肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)

肩鎖関節脱臼は、肩鎖靭帯と烏口(うこう)鎖骨靭帯が断裂し、肩鎖関節がずれた状態になります。ずれの程度によって、捻挫、亜脱臼、脱臼に分類されることになります。脱臼はレントゲンにより判断されます。肩を強く打つことにより、生じるけがですので、バイクや自転車での事故の際に受傷する可能性が高くなります。関節に機能障害を残すものとして、12級6号等に該当することがあります。

 

腱板断裂(けんばんだんれつ)

腱板は肩峰(けんぽう)と上腕骨頭(じょうわんこっとう)の間に存在しています。交通事故の際に、手をついて転倒したり、衝撃で肩をひねった場合に、腱板がずれて断裂することがあります。腱板断裂は、肩が上がらないという運動障害はもちろん、強い痛みが生じることがあります。

断裂しているかどうかは、肩が挙げられるか、肩関節に拘縮があるかどうか、肩を挙げた際に肩峰の下で軋轢音があるかどうかで判断します。レントゲンでは、肩峰と上腕骨頭との間が狭くなり、MRIでは、腱板部分に白く断裂の所見が見られます。治療は、手術を行って腱板の修復を行うこともありますが、保存療法を行う場合が多くあります。
腱板断裂は症状がひどい場合には、8級6号に該当することもあります。

 

骨挫傷(こつざしょう)

骨挫傷は、レントゲンでは判断できず、MRIによって、判別可能なミクロな骨折を指します。したがって、打撲よりは重症ですが、レントゲンで判別可能なヒビや明らかな骨折に比べると程度は軽いものになります。

 

上腕骨近位部骨折(じょうわんこつきんいぶこっせつ)

上腕骨は肩から肘関節までつながる1本の長い骨で、近位部とは、そのうちの方に近い部分のことをいいます。その部分に骨折が生じるのがこの症状です。骨折の程度が軽ければ、患部を固定して保存療法となりますが、ズレが大きい場合には、プレートなどを使用して骨をつなぐ手術を行なったり、人口骨頭を入れたりすることもあります。

この場合、肩関節の機能障害が生じる可能性があるため、12級6号該当可能性があります。

 

上腕骨骨幹部骨折(じょうわんこつこっかんぶこっせつ)

骨幹部とは上腕骨の中央付近の部分をさします。この部分は、上述の近位部に比べて関節から離れているので、関節の機能障害が生じる可能性はそれほど大きくありません。しかし、上腕骨をらせん状に回っている橈骨神経を骨片が当たって、橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)が生じることがあります。この場合、骨折部に痛みやしびれが生じます。橈骨神経麻痺が生じると、手の甲がしびれ、手首や指の運動障害が生じます。

 

上腕骨遠位部骨折(じょうわんこつえんいぶこっせつ)

遠位部とは、上腕骨のうち、肘の部分を指します。この部分の骨折は、上腕骨顆上骨折や上腕骨外顆骨折があります。遠位部は肘の部分ですので、肘関節の痛みや腫れが生じます。骨折しているかはレントゲンにより診断します。肘関節に機能障害を残すとして12級6号に該当する可能性があります。

 

肘関節脱臼(ひじかんせつだっきゅう)

多くのケースは尺骨が上腕骨より後ろに抜けてしまう後方脱臼によります。尺骨が後方に飛び出ているわけですから、強い痛みを伴います。骨の位置を元に戻して固定する場合もあります。関節に機能制限が生ずれば、後遺障害に該当します。

 

橈骨、尺骨骨折(とうこつ、しゃっこつこっせつ)

上腕骨と異なり、前腕骨は橈骨と尺骨という2つの骨で構成されています。前腕を地面に強打したり、地面に手をついた時に腕をひねったりした場合に、これらの骨が骨折するおそれがあります。骨折はレントゲンで確認します。橈骨や尺骨は血流が少なく、治癒しにくい部位とされています。

 

橈骨遠位部骨折(とうこつえんいぶこっせつ)

橈骨のうち、遠位部つまり手首に近い部分で骨折が生じるものです。手首の部分ですので、地面に手をついた際に起こりやすい症状です。手首部分は橈骨と尺骨により関節が形成されているため、骨折の程度によっては、手関節の機能制限が生じます。握力の低下も起こる恐れがあります。

また、後述する正中神経麻痺を併発しやすいという特徴もあります。

 

正中神経麻痺(せいちゅうしんけいまひ)

正中神経は、上腕から肘の前面を通り、手首、指先まで枝分かれする神経です。正中神経を上腕骨顆上部で麻痺を生じると、手が猿手になってしまい、物がつかめなくなるという症状が生じます。神経麻痺は12級や14級に該当する可能性があります。

 

手根不安定症(しゅこんふあんていしょう)

手根骨脱臼や骨折に伴って生じる症状です。手根骨は8個の小さな骨が2列に配列し、関節と靭帯で結合しています。脱臼や骨折によって、この配列が乱れると、手関節の可動域制限や運動時に痛みが生じたり、握力が低下したり、動かすと痛みを伴って音が鳴るなどの症状が生じます。関節の可動域制限の程度によっては、10級10号や12級6号に該当することがあります。