肩腱板断裂(腱板損傷)

腱板とは

解説する医師のイメージイラスト腱板とは、肩の関節の安定性を保つ筋肉と腱の複合体のことをいいます。棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つの筋肉で構成されています。

 

 

肩腱板断裂の特徴、症状

腱板断裂は、加齢や野球などボールを投げるスポーツによっても生じますが、交通事故では、自転車やバイクで肩から落ちて転倒したり、衝突の際に肩を強くハンドルにぶつけたりすることで生じます。

腱板断裂はその程度により、完全断裂と不全断裂の2つに大きく分けられます。

先ほどの4つの筋肉の腱のうち、棘上筋が一番損傷を受けやすい部分です。この筋肉は、肩の外転=腕を外側から耳の横まで上げる動作に使用しているため、この腱板を損傷すると、肩が挙がらなくなるといった症状が生じます。

腱板腱板(上)

また、運動痛はもちろん、安静にしている際も痛みを伴い、夜間寝ている際に痛みが生じるといった症状も特徴です。そのため、痛みで夜眠れないといったことも起こります。

腱板損傷、断裂の診断は、肩を挙げられるかどうか、肩を挙げた際に肩峰の下で軋轢音が鳴るかどうかといった点をチェックします。

その上で、レントゲンやMRIといった画像で損傷や断裂の診断をします。

 

 

治療と後遺障害

ストレッチのイメージ画像腱板断裂の治療法は保存療法と手術療法です。

保存療法では、非ステロイド性の抗炎症剤の服用やヒアルロン酸の注射を行ったり、ストレッチなどの運動療法がなされます。保存療法により、3か月から6か月ほどで7割ほどの方は症状が軽くなるとされています。

断裂の程度がひどい場合には手術を選択します。近年では、関節鏡視下での手術を行うケースが増えてきています。手術では、肩峰下を切除して骨と腱板が衝突するのを防ぐものや腱板を修復するものがあります。

肩が挙がらないなどの可動域制限が残存する場合には、12級6号に該当する可能性がありますので、早めに弁護士に相談すべきです。