Q.専業主婦の場合は、交通事故による怪我の休業損害は支払ってもらえないのでしょうか?


解説する主婦のイメージイラスト専業主婦の場合でも、休業損害の支払いを受けることができます。

また、兼業主婦の方の場合には、現実の収入額と賃金センサスに基づく平均賃金額のいずれか高い方を基準に算出するのが通常です。(詳しくはこちら「損害賠償金の計算方法②休業損害」をご覧ください)。

家事従事者とは

家事をする主婦のイメージイラスト家事従事者とは、性別・年齢を問わず、家族のために料理、洗濯、掃除等の主婦的労務に従事する人のことです。

この主婦的労務に従事する人のことを家事従事者といいます。したがって、社会一般に「主婦」とされる方は家事従事者にあたります。

上記説明からもわかるとおり、男性の「主夫」も家事従事者となります。

このように家事従事者には年齢や性別を問いません。

ただし、一人暮らしをしている方は「家族のために家事」をしているわけではないので、家事従事者には該当しません。

 

家事従事者に休業損害を認める理由

解説する男性のイメージイラスト家事労働に従事されている方は、実際には給与などの労働対価を得ていません。

しかし、「家事労働」と呼ぶわけですので、財産的な価値はあると考えられています。

したがって、家事従事者で現実には給与の支払いなどがあっていない場合でも休業損害の算定をすることができます。

裁判例でも、交通事故の受傷によって家事労働ができない期間について休業損害を請求できるとしています(最判昭50.7.8)。

 

家事従事者の休業損害の算定方法

計算のイメージイラスト下記の式で算出します。

家事従事者の休業損害=基礎となる収入額×休業日数

 

基礎となる収入額

悩む男女のイラスト自賠責基準では、1日あたり5700円と定められています。

一方、裁判基準では、以下のような事例があります。

 

●大阪地判 平18.10.18

賃金センサス第1巻第1表の産業計、学歴計、女子労働者の全年齢平均賃金額を用いる例
●名古屋地判 平17.1.14

被害者の年齢に対応する年齢別平均給与額を用いる例

 

お金のイラスト最新のデータである平成27年の賃金センサスは372万7100円です。

したがって、日額は372万7100円÷365日=1万211円となります。

なお、男性の家事従事者である主夫の基礎収入は、性別は男性ですが、「女性」の年齢別平均賃金を使用するとされています(東京地判平14.7.22や名古屋地判平20.5.21)。

休業日数について

カレンダーのイラスト入院日は基本的に休業日数として数えます。

通院の場合には、実際の通院日数はもとより、実際にどのような家事ができなかったのかを適切に主張することで交渉を行っていきます。

したがって、日額の30%の制限といった割合的な認定も多くなされます。

代替労働を依頼した場合

悩む女性のイラスト家事従事者が休業中、炊事、洗濯、掃除、子供の養育などを他人に依頼したときの支出については、休業損害の代わりとして支出した代替労働費用として請求できることがあります。

代替労働費用の請求が認められる場合は、被害者自身の休業損害は認められません。

説明する女性のイラスト主婦の休業損害について、当事務所の弁護士による解決事案がございます。

詳しくはこちら「受任から1か月で150万円の増額に成功したむちうちの症状が残るYさん(50代主婦)の事例」をご覧ください。


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