よくある相談Q&A

交通事故で死亡した被害者の相続人が相続を放棄すると、死亡保険金請求もできなくなるのですか?


弁護士小原隆寛イラスト交通事故専門の弁護士がご回答します。

契約者と被保険者が同一人の場合、死亡保険金請求権は保険金受取人の固有の財産とみなされるので、相続を放棄しても保険金を受け取ることができる場合があります。

例えば、生命保険の死亡保険金、自損事故傷害保険・搭乗者傷害保険の死亡保険金などが当てはまります。

また、自賠責保険における遺族固有の慰謝料請求権についても、相続放棄していても保険金請求は可能です。

 

 

相続放棄と生命保険死亡保険金

生命保険における死亡保険金の受取人は保険契約者または被保険者の相続人であることが一般的です。

しかし、保険金受取人の保険金請求権は、生命保険契約の成立時に保険受取人に帰属するもので、死亡した保険契約者または被保険者から相続したものではありません。

保険金の受取に関する図つまり、死亡保険金を請求する権利は相続財産ではなく、保険金受取人の固有の財産といえます。

したがって、相続人が相続を放棄したとしても、生命保険の死亡保険金を請求することはできます。

ただし、税制上、死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。

 

 

相続放棄と自動車保険

死亡した被害者の加害者に対する損害賠償請求権は、相続財産となります。

説明する男性のイラストしたがって、被害者の相続人が相続放棄をすれば、加害者へ損害賠償請求をすることはできません。

そのため、加害者の任意自動車保険に組み込まれている対人賠償保険、対物賠償保険への請求はできなくなります。

証人のイラストもっとも、被害者自身が契約していた被害者自身の任意自動車保険の自損事故傷害保険、搭乗者傷害保険の死亡保険金請求権について、判例があります。

生命保険の死亡保険金請求権同様、相続財産ではなく保険金受取人の固有の財産であると判例は認めています(名古屋地判H4.8.17、大阪地判H16.12.9、盛岡地判決H21.1.30など)。

なお、自損事故傷害保険は相手のいない単独事故で契約者または被保険者、同乗者らが死傷し、自賠責保険から保険金が出ない場合に保険金が支払われます。

搭乗者傷害保険は、任意自動車保険の対象自動車に搭乗していた人が、自動車事故によって死亡、怪我、後遺障害を被った場合に定額の保険金が支払われます。

 

 

相続放棄と遺族の固有の慰謝料

自賠責保険金に関して、最高裁判所は、遺族固有の慰謝料請求権は相続財産ではなく、相続放棄をしても請求できると判示しています(最判H12.3.9)。

 

弁護士小原隆寛画像交通事故遺族の方は、心身ともに疲弊し、保険金請求手続も大きな負担となることでしょう。

適切な賠償を得るためにも、専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。

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