腰椎骨折をはじめとする脊椎骨骨折

腰椎とは

人体のイメージイラスト腰椎とは、脊柱の一部であり、全部で5つの骨があります。頭部から順に、頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎1個、尾椎1個の全部で26個の骨が脊柱骨にはあります。なお、後遺障害認定に当たっては、腰椎以下の仙椎と尾椎は脊柱の項目では対象とはなりません。

腰椎をはじめとする脊椎骨は、交通事故による外力が加わることによって、椎体が押しつぶされるように骨折する圧迫骨折が生じることがあります。

脊柱の障害は大きく分けて、骨折や脱臼により、腰椎をはじめとする脊柱が変形する変形障害と運動機能に制限が生じる運動障害の2つに大きく分けられます。

 

 

後遺障害等級

腰椎骨折をはじめとする脊椎骨骨折に関しては、脊柱の項目で以下の後遺障害等級が定められています。

腰椎の後遺障害等級別グラフ

変形障害

レントゲンイメージ画像変形障害の認定に当たっては、脊柱の後彎又は側彎の程度等によって判断します。後彎の測定は、腰椎骨折(圧迫骨折)や脱臼によって、減少した前方椎体高と当該椎体の後方椎体高の高さを比較することで行います。

また、側彎の程度は、コブ法という測定法により行います。コブ法とは、レントゲンにおいて、脊柱のカーブの頭側とお尻側でそれぞれ水平面から一番傾いている脊椎の延長線が交わる角度を求める測定方法です。

変形障害のうち6級5号の著しい変形を残すものと認定されるためには、以下の2つの基準のいずれかに該当する必要があります。

① 脊椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じているもの。

 

この場合、「前方椎体高が著しく減少」したとは、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ以上であるものをいう。

② 脊椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生ずるとともに、コブ法による側彎度が50度以上となっているもの。

 

この場合、「前方椎体高が減少」したとは、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であるものをいう。

この2つの基準を読んでもよくわからない方も多いのではないでしょうか。

具体例を挙げてみます。

解説する男性のイメージイラスト例えば、5つある腰椎のうち、2つの椎体で圧迫骨折により前方椎体高が減少した場合、この2つの後方椎体高の合計が8cm、減少後の前方椎体高の合計が3cmだったときには、両者の差が8cm-3cm=5cmとなり、1個当たりの後方椎体高の高さ4cm(8cm÷2個)に比べて大きくなりますので、①の基準により6級5号に該当します。

また、等級表上はありませんが、「脊柱に中程度の変形を残すもの」は6級と11級の間の8級相当とされます。

 

この基準は、以下の3つのうちのいずれかに該当する必要があります。

①6級5号の認定基準②に該当する後彎が生じていること

②コブ法による側彎度が50度以上のもの

③環椎又は軸椎の変形・固定により、次のいずれかに該当するもの

ア 60度以上の回旋位となっているもの
イ 50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっているもの
ウ 側屈位となっており、レントゲン写真により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの

 

11級7号の「脊柱に変形を残すもの」とは、以下の3つの基準のいずれかに該当する場合をいいます。

①脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがX線写真等により確認できるもの

②脊椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかの脊椎に吸収されたものを除く。)

③3個以上の脊椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの

解説する男性のイメージイラスト腰椎をはじめとする脊椎の圧迫骨折は、脊髄損傷を併発するおそれがあります。脊髄損傷を起こした場合は、損傷した部位によって、麻痺の生じる部分や程度が変わってきます。詳しくは、脊髄損傷の項目をご覧ください。