弁護士コラム

MAKIDAIさんの交通事故でコンサートが中止。補償はどうなる?

交通事故のイメージイラストクリスマスイブである12月24日にEXILEのメンバーであるMAKIDAIさんがコンサート会場に向かうために移動していたところ、交通事故に遭い、肋骨骨折などの重傷を負いました。

 

この交通事故の影響で、24日、25日に予定されていた人気グループの三代目JSBのライブは中止になりました。

楽しみにしていたファンの方はとても残念だったと思いますが、チケット代金は払い戻しとなる見込みです。

今回のケースのように、コンサートツアーが直前で中止となった場合、チケットの払い戻しはもちろん、事前に支出していた会場費やスタッフ費用など莫大な損失になってしまいます。

こうした損失を交通事故の加害者に請求することはできるのでしょうか?

この問題は、法律上企業損害(間接損害)と呼ばれる問題です。

つまり、MAKIDAIさんのけがにより、けがをした本人以外である三代目JSBのコンサートを運営する会社(プレスリリースの発表元は株式会社LDHSTAGEとなっています。)に損失が生じ、これが損害賠償の対象となるかどうかという問題になるわけです。

この企業損害については、学説上争いがある分野の一つですが、一定の条件の下で補償を認めるというのが現在の実務上の有力な見解です。

その条件としては、「企業と被害者である個人との間に経済的に同一体といえるだけの関係が成立する場合」とされています(最高裁昭和43年11月15日判決)。

具体的には、親族経営の会社で、交通事故の被害者である代表者(社長)がほぼ一人で事業を行っているケースがこの条件を満たすと考えられます。

したがって、MAKIDAIさんの代わりはいないという今回のケースでも、経済的な同一性は認められないため、損害賠償の対象とはできないでしょう。

もちろん、MAKIDAIさんの個人の収入減少については休業損害の対象となります。

なお、こうしたイベントには天候不良や出演者の体調不良で中止をするケースもあり、上記のようにそれに対する損失が大きくなるため、「興行中止保険」という保険が販売されており、多くのケースで保険に加入しています。

今回の中止にもこの興行中止保険を利用して、対応するものと思われます。

 

休業損害については、こちらもあわせてご覧ください。

 

 

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