弁護士コラム

後遺障害14級9号の逸失利益の期間について

 

車椅子で仕事をするイメージイラスト交通事故により後遺障害が認定された場合、後遺障害に対する補償として、後遺障害慰謝料と逸失利益という賠償項目が対象となってきます。

このうち、逸失利益については、基礎収入に労働能力喪失率及び労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数をかけることで算出します。

14級9号の神経症状に対する労働能力喪失期間については、多くの裁判例で症状固定から5年程度とするものが目立ちます。

この点について、裁判所の目安となっている赤い本には、以下のような記載があります。

 

むちうちのイメージイラスト「むち打ち症の場合は、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する例が多く見られるが、後遺障害の具体的症状に応じて適宜判断すべきである。」

 

むちうちの場合には、骨折などと違って、軟部組織の損傷であり、一生涯にわたって痛みが継続するとは考え難いという発想があります。
(なお、この考え方を強調すると、将来も残存する症状に対して認められるものが後遺障害であるという後遺障害の定義自体が矛盾を孕んでいることがわかります。)

 

では、骨折後の痛みについても、14級9号の認定であれば、喪失期間が5年間しか認められないかといえば、必ずしもそうではありません。

この点に関して、北九州市の裁判を管轄する福岡地裁小倉支部が、平成27年12月16日に以下のような判決を下しています。

 

福岡地方裁判所小倉支部 平成27年12月16日判決

 

事案は、29歳の会社員がバイクで青信号に従って走行中、反対車線からUターンしてきた自動車に衝突して、第7頚椎棘突起骨折、頚椎捻挫のけがを負って、その後、後遺障害14級9号が認定されたというものです。

 

裁判例のイメージイラスト裁判所は、「本件事故により、原告の第7頚椎棘突起の骨折が生じたところ、骨折が完全には癒合せず、偽関節が生じ、このため、頚部痛等の症状が残存しているものと認められる。そして、原告の治療にあたった医師が「項部周辺の痛み、特に隆椎の圧痛、左上肢の知覚低下などの症状は今後も持続するものと考えられる。と述べていることからすると、67歳までの37年間にわたって労働能力を喪失するものとみるのが相当である」として、原告の弁護士の主張を認め、労働能力喪失期間を67歳までの37年間としました。

 

このように、14級9号の神経症状であるからといって必ずしも逸失利益の労働能力喪失期間は5年間に限られるわけではありません。

 

当事務所の弁護士による解決事例でも、5年間以上の喪失期間が補償された事例もあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

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