逸失利益を請求したい

後遺症逸失利益とは

後遺障害申請書後遺症逸失利益とは、交通事故による後遺症が残ってしまった場合に、その後遺症が仕事の能率を下げ、支障をきたすことで、収入が減少する、あるいは得られなくなるという部分に対する補償です。

この後遺症逸失利益は、後遺症慰謝料と同じく、自賠責保険において、後遺障害と認定され、等級がついたものに対して、認められるのが原則です。

そして、具体的には、後遺障害の内容、交通事故前後の収入の変化、将来の昇進・転職・失業等の不利益の可能性の程度、日常生活上の不便などを考慮して、補償されるべき金額が決定されます。

 

 

後遺症逸失利益の計算方法

電卓後遺症逸失利益の計算方法は、以下のとおりです。

基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

電卓
ケース:
男性50歳の会社員男性
年収500万円(事故前)
12級7号の後遺障害認定

 

例えば、
50歳の会社員男性が、交通事故にあう前には 500万円の収入を得ていたものの、大腿骨を骨折し、関節機能障害として12級7号の後遺障害が認定された場合。

後遺症逸失利益の計算は、
500万円 × 14%(12級の労働能力喪失率)× 11.2741(就労可能年数17年に対応するライプニッツ係数)= 789万1870円
となります。

 

 

基礎収入

基礎収入については、交通事故当時に被害者の方の置かれた状況によって違いがあります。

会社員の場合

源泉徴収票事故当時に仕事をして収入を得ていた場合、原則として事故前年の収入を基礎収入とします。

立証方法としては、毎年末に勤務先からもらう源泉徴収票や役所が発行する所得証明書などです。

なお、30歳未満の若年労働者の場合、将来的に昇給の可能性もあり得ますし、高校生や大学生といった学生の場合は、後述するように平均賃金で基礎収入を考えることとの均衡から全年齢の賃金センサスを用いて基礎収入を判断する傾向にあります。

 

自営業者の場合

社印自営業の方の場合には、確定申告書に記載された所得金額が基礎収入となります。

売上を基準とするわけではありません。売上から経費を引いて算出されている所得を基準とします。

自営業者の場合、節税対策として経費を多く計上して所得を抑えているケースもありますが、そのことを立証することは困難なケースが多く、自営業者の方については、この基礎収入が問題となる事案が多いのが特徴です。

通帳また、確定申告を行っていない場合には、基礎収入をいくらとすべきかで保険会社と争いになることもしばしばです。

この場合には、通帳の入出金といった客観的な資料をもとに立証していくことを検討します。

 

主婦(主夫)の場合

主婦(主夫)については、会社員の方と異なり、現実には給料を受け取っているわけではありません。しかしながら、家事労働については、休業損害と同様に、法的に金銭的な価値のある業務として補償の対象とされています。

主婦ただし、家事労働については、一人暮らしの場合には補償の対象となりません。あくまで夫や子といった自分以外の人のために日常生活の家事を担っている場合が対象です。

主婦の基礎収入については、休業損害と同様に、賃金センサスの女性、学歴計、年齢計の指標を用います。男性の場合(主夫)も女性の賃金センサスを用います。

平成27年の同指標は 372万7100円となっています。

 

学生の場合

学生

交通事故当時に学生の場合、実際に就職して働き出すまでには一定の期間があることがあります。

しかしながら、学校を卒業すればいずれは社会で働く可能性が高く、交通事故で残った後遺症が将来的な収入減少につながる可能性があることは現実に仕事をしている人と変わりません。

そのため、学生の場合でも逸失利益の補償を行う必要性があると考えられています。

学生の場合の基礎収入は賃金センサスの男女計、学歴計、年齢計の数値を基準とするのが原則です。平成27年の同指標は489万2300円です。

学生交通事故当時に学生だった方の当事務所の弁護士による解決事例はこちら、「裁判により足関節内果骨折後の疼痛、醜状障害で、35年間の逸失利益、裁判基準以上の慰謝料が認められたJさん(10代高校生)の事例」をご覧ください。

 

 

労働能力喪失率

減少しているグラフ労働能力喪失率とは、残った後遺症がどの程度の能力の低下をもたらすかを数値化したものです。

これは、認定される後遺障害の等級に応じて、基準となる労働能力喪失率が自賠責保険上定められています。それが以下の表になります。

等級 1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級
喪失率 100% 100% 100% 92% 79% 67% 56%
等級 8級 9級 10級 11級 12級 13級 14級
喪失率 45% 35% 27% 20% 14% 9% 5%

弁護士西村裕一ただし、上記表はあくまで目安ですので、具体的な後遺障害の内容によって喪失率は増減します。

労働能力喪失率がよく問題となる傷病としては、鎖骨骨折による変形障害、頚椎や腰椎といった脊柱の圧迫骨折、顔や腕、足の傷跡といった醜状障害です。

こうした喪失率が問題となりやすい後遺症について、デイライト法律事務所では、弁護士が交通事故を数多く取り扱っているため、解決事例もございます。

詳しくはこちら、解決事例「鎖骨骨折による変形障害について、弁護士による異議申立てで非該当から12級5号が認定され、逸失利益も補償されたHさん(50代自営業)の事例」も御覧ください。

 

 

労働能力喪失期間

カレンダー労働能力喪失期間とは、残った後遺症がどれだけの期間にわたって、能力の低下をもたらし、収入の減少につながるかに関するものです。

これにはいくつかのルールがあり、目安となります。

1.労働能力喪失期間のスタート地点は、症状固定日(後遺障害診断書に記載された日)。ただし、未成年者の労働能力喪失期間のスタートは、18歳もしくは大学卒業時点となる。

2.労働能力喪失期間の終わりは、原則として67歳まで。症状固定の段階で67歳を超えている場合、平均余命の2分の1に当たる期間が67歳までの残り年数よりも長くなる場合には、平均余命の2分の1を労働能力喪失期間とする。

3.むちうちといった他覚的な所見がない場合の労働能力喪失期間は、14級9号の場合は5年前後、12級13号の場合は10年前後を目安とする。

このように、後遺症逸失利益については、計算式や考え方が複雑な上、それぞれの被害者の方の後遺障害の内容や実際の収入への影響といった様々な要因を考慮しなければなりませんので、専門家である弁護士でなければ適切に対応することができません。

赤い本デイライト法律事務所の弁護士は、交通事故の賠償問題について、福岡で年間300件を超えるご相談をお受けしております。まずは、お気軽にご相談ください。

労働能力喪失期間が争われた、当事務所の弁護士による解決事例はこちら、「異議申立てにより12級13号の後遺障害が認定されたYさんが、人身傷害保険とあわせて約1400万円を獲得した事例(異議申立てから裁判まで)」をご覧ください。