解決事例

債務不存在訴訟を提起されたが、反訴提起して後遺障害認定された事例


※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Pさん
(福岡市早良区)


受傷部位首(外傷性頸部症候群)、腰(腰椎捻挫)
等級併合14級
ご依頼後取得した金額
約340万円

内訳

損害項目 弁護士によるサポート結果
傷害慰謝料 約90万円
後遺傷害慰謝料 約110万円
後遺障害逸失利益 約80万円
その他 約50万円
回収額 約340万円

※治療費など表には記載していない損害もあります。

状況

Pさんは、片側一車線の路上で停車していたところ、加害者車両に追突され、その衝撃で前方に押し出され第三者の車両に玉突き追突するという事故に遭いました。

Pさんは、本件事故によって、首や腰などを痛めたため、事故当日に病院を受診したところ、外傷性頸部症候群、腰部捻挫等の診断を受けました。

その後、Pさんは、病院に通院しつつ整骨院にも通いながら治療を継続していました。

そうしたところ、事故から4カ月を過ぎたところで保険会社から治療費の打切りにあいました。

しかし、首や腰の痛みは強く残っていたため、Pさんは、やむを得ず、自費で病院と整骨院に通院することにしました。

Pさんは、痛みに耐えながら仕事もこなして、通院を継続していましたが、事故から1年半を経過した頃に、突然、加害者側から債務不存在の訴えが提起されました(※債務不存在の訴えについては後述する「補足」で説明します)。

突然、裁判所から封書が届き、驚いたPさんは、どう対応してよいか分からなかったため、デイライト法律事務所に相談に来られました。

 

弁護士の関わり

加害者側の訴状をみると、保険会社が治療費を支払った4カ月間分の治療費やそれに対応する慰謝料、交通費等の支払義務は認めるが、それ以上は支払う義務がないという主張がされていました。

しかし、Pさんに事故状況や体の状態を確認したところ、Pさんは後遺障害が認定される可能性もあると思われ、加害者側の提示は明らかに不十分な補償でした。

そもそも、訴状に記載されている慰謝料は、相手の主張する治療期間を前提にしても裁判基準に全く及ばない金額であり、明らかに不十分な補償内容となっていました。
そこで、弁護士は、本件についてPさんから依頼を受け、訴訟対応することになりました。

弁護士は、Pさんから、保険会社が治療費の支払いを打ち切って以降の病院や整骨院の領収書を全て出してもらい、Pさんの具体的な治療状況をまとめました。

治療状況をみると、少しずつPさんの痛みも改善しており、Pさんが自費で治療していた部分についても治療の必要性が認められると考えられました。

そこで、弁護士は、加害者側の主張する治療期間ではなく、Pさんが自費で治療を継続していた部分も含めて賠償するべきであると主張を行うことにしました。(交通事故の怪我の治療を整骨院で行った場合について、詳しくはこちらからどうぞ。)

また、前述したようにPさんには、後遺障害が認定される可能性が高かったため、反訴提起(※反訴提起についても後述の「補足」で説明します)の中で、後遺障害14級が残存する前提で主張を組み立てました。

もっとも、裁判所は、後遺障害の認定に関して、自賠責保険の認定結果を重視する傾向にあるため、弁護士は、訴訟対応と並行して自賠責保険に対しても、後遺障害申請を行いました。

申請から1カ月半ほど経過した頃に、自賠責保険から結果が返ってきました。

その結果は、Pさんの首と腰の痛みについて、それぞれ後遺障害14級9号が認められ、併合14級との認定を受けることができました。

弁護士は、Pさんが後遺障害に認定されたこと証拠として提出しました。

これらの主張に対して、加害者側は、裁判所を通じて病院にPさんの治療経過などを照会したいという主張を行いました。

しかし、裁判所は、その必要性を認めず、裁判所から和解案が出されることになりました。

和解案の内容は、治療期間は、Pさんが自費で治療していた部分まで認定がなされ、傷害慰謝料、後遺傷害慰謝料も概ねこちらの主張が認められた内容でした。

加害者側も裁判所提案の和解案で了承したため、最終的には合計約340万円(自賠責からの支払い分も含む)の支払いを受けることで和解することができました。

 

補足

債務不存在の訴えと反訴提起

交通事故事件における債務不存在の訴えとは、加害者に全くお金を支払う義務がない、あるいは、一定額を超えて支払う義務がないという訴えです。

本件では、後者の一定額を超えて支払義務はないという訴訟提起がなされました。

交通事故事件で債務不存在の訴えがなされるのは、保険会社が治療費の対応を打ち切ってから相当期間時間が経過しても示談がまとまらないようなケースや、被害者が主張している損害の発生自体に争いがあるケースなどで提起されることがあります。

早期に賠償義務の有無や賠償額を確定したいという保険会社の考えも分からなくはないですが、訴訟提起をされる被害者は、突然裁判所から訴状が届くため、大変驚かれ不安になられる方がほとんどです。

債務不存在の訴えに対する対応としては、被害者側の主張をまとめて、反訴提起することです。

交通事故事件での被害者側の反訴提起とは、簡単に言うと、加害者側は一定額の債務しかないと訴状で主張しているが、その事故によって被害者が被った損害はもっとたくさんあるので、それを賠償しなさいと逆に主張して請求することです。

本件では、加害者側は、Pさんに後遺障害が存在しないことを前提にして訴訟提起していました。

しかし、こちらとしてはPさんには後遺障害が残存しているのだから、後遺障害部分の賠償もしなさいということで反訴提起をしているのです(その他にも賠償として不十分な点も加えて反訴提起しています)。

裁判所での後遺障害認定

裁判では、当事者から提出された証拠とそれに基づく主張によって最終的な判断がなされます。

被害者側が後遺障害の残存を主張する場合には、その証拠を裁判所に提出しなければなりません。

その証拠の中で最も重要な証拠は、自賠責保険の後遺障害認定の結果です。

裁判所は、全証拠を総合して判断をすることができるので、自賠責保険の後遺障害認定とは異なる判断をすることができます。

しかし、実際のところ、裁判所は、自賠責保険での認定結果を非常に重視する傾向にあります。

自賠責保険の認定結果とは異なる主張をする場合には、その他の証拠をもって自賠責保険の認定結果が不当であることを具体的に主張しなければなりません。

いずれにしても、後遺障害を主張する場合には、いきなり訴訟提起するのではなく、自賠責保険の認定結果を見てから訴訟提起することが一般的です。

本件では、Pさんは後遺障害申請をする前に、加害者側から債務不存在の訴えを提起されてしまったため、後遺障害の申請よりも先に訴訟が係属してしまいました。

こうした場合には、訴訟係属中であっても、自賠責保険に後遺障害申請を行うことがあります。実際、本件では、前述しているとおり訴訟係属中に後遺障害の申請を行っています。

後遺障害の申請を行っていることを裁判所に報告すれば、裁判の進行もそれに合わせて進めてくれることがほとんどです。

以上のように、債務不存在の訴えが提起された場合には、状況に応じて、後遺障害の申請やその他必要な主張をする必要があり極めて専門的な対応をしなければならなくなりますので、万一、債務不存在の訴えが提起されてしまったような場合には、専門の弁護士に依頼することをお勧めします。

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