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後遺障害はいつ申請する?【弁護士が解説】


掲載日:2014年6月3日|最終更新日:2019年5月10日

後遺障害の申請は、被害者の症状がこれ以上改善を期待することができない症状固定のタイミングで医師に後遺障害診断書を作成してもらい、申請します。

後遺障害とは?

交通事故でけがをした場合、病院で治療を行っていきますが、必ずしも全てのけがが完全に治るわけではありません。

けがの中には、痛みが残ってしまったり、動かせる範囲(可動域)に制限があったり、骨がうまくくっつかず形が変わってしまったりといったことがあります。

こうした交通事故による何らかの不具合が残ることを「後遺症」といいます。

そして、こうした「後遺症」のうち、自賠責保険のルールにのっとって、一定の基準を満たすものを「後遺障害」といいます。

したがって、後遺障害とは、交通事故による後遺症のうち、自賠責保険の等級認定基準に該当すると判断されたものを指します。

つまり、 後遺症 > 後遺障害 の関係になります。

 

 

症状固定とは?

後遺障害は、自賠責保険のルールにのっとって認定されたものをいいますので、交通事故の後遺症が残った場合には、後遺障害の申請をしなければなりません。

それでは、いつこの申請を行うのでしょうか?

この点については、「症状固定」のタイミングで行うことになります。

症状固定とは、漢字のとおり、症状が固定された状態ということです。固定されるというのは、症状がそれ以上変わらないという意味です。

交通事故にあってからしばらく治療を行っていくと、最初のうちは治療の効果が大きく感じられますが、時間がたつにしたがって段々とその効果を感じにくくなってくるのが一般的で、その意味では症状の改善程度は右肩下がりの直線ではなく、ゆるやかな曲線を描くことになります。

こうした曲線の底の地点が症状固定ということになります。

症状固定のタイミングの目安

症状固定の時期については、治療の効果が期待できるかという医学的な判断が必要ですので、このタイミングを最終的に決定するのは、被害者が治療をしている病院の医師(主治医)ということになります。

そのため、症状固定に至っているかどうかについては、被害者が医師と問診を通じて話をしていく必要があります。

もっとも、後遺障害の認定ルールとなる自賠責保険の基準では、労災保険の基準を参考にしており、この労災保険の基準には、「療養効果が期待し得ない状態であっても、症状の固定に至るまでにかなりの期間を要すると見込まれるものもあるので、この場合は、医学上妥当と認められる期間を待って、障害程度を評価することとし、症状の固定の見込みが6か月以内の期間においても認められないものにあっては、療養の終了時において、将来固定すると認められる症状によって投球を認定することとする。」と言及があります。

この通達から、交通事故から6か月というのが一つの目安になっていると考えられます。

 

むちうちの場合

上半身を怪我した女性むちうちの場合には、骨に異常が認められない捻挫、打撲となるため、上記の目安である6か月程度治療した段階が症状固定の目安になってきます。

もちろん、被害者の方に生じる痛みやしびれの程度は人それぞれのため、6か月より長い7か月、8か月たって症状固定となる場合もあります。

ただし、先ほどの基準にしたがえば、3か月程度の治療期間では、後遺障害と認定されるのは困難でしょう。

骨折の場合

骨折の場合には、むちうちと違って、レントゲン検査でも異常が認められる、つまり器質的な変化が明らかなけがということになります。

そのため、6か月たっていなくても骨の修復が止まってしまった場合や骨折の程度がひどくて人工骨を入れた場合などには、交通事故から6か月未満の時点で症状固定として後遺障害の申請を行うこともあり得ます。

動かせる範囲に制限があるという可動域制限の場合には、リハビリを行うのが通常ですので、一般的には6か月以上治療をしてから症状固定となることが多いでしょう。

傷跡の場合

治療傷跡については、むち打ちや骨折の場合と比べると病院への通院頻度は多くないでしょう。

しかしながら、傷跡が残るかどうかについては、経過観察が必要となります。

そのため、傷跡についての後遺障害の申請は、6か月以上経過して、交通事故から1年後に症状固定になるということも比較的多くあります。

 

いずれにしても、先ほども説明したとおり、最終的には医師の判断になりますので、主治医としっかり話をして意見をうかがわなければなりません。

 

 

症状固定になったら

症状固定になったら、後遺障害の申請をするために、後遺障害診断書を作成しなければなりません。

この後遺障害診断書は、定型の書式があり、この書式を使用して、医師に作成してもらいます。なお、後遺障害診断書は、整骨院では作成できません。

したがって、整骨院のみにしか通院していないという方の場合には、後遺障害の申請を行うことはできないということになります。

医師も1回通院しただけでは、後遺障害診断書を作成することはできないからです。

なお、この後遺障害診断書を作成するには診断書作成料がかかります(7000円や1万円(税別)という病院が多いです。)。

この診断書作成料については、被害者の方の負担となり、病院に支払わなければなりません。

後遺障害が認定された場合には、この診断書代を相手方の保険会社に請求することができるので領収書は必ず取っておくようにしましょう。

申請の方法

説明後遺障害診断書を作成してもらったら、相手方の自賠責保険会社に後遺障害の申請を行うことになります。

この申請の方法には、相手方の任意保険会社を通じて手続きを行う事前認定と被害者が直接相手方の自賠責保険会社に書類を送付する被害者請求という2種類があります。

後遺障害の申請について、詳しくはこちらをご覧ください。

後遺症が気になる方へ当事務所のサポートについては、こちらからどうぞ。

 

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