よくある相談Q&A

後遺障害は誰が決めるのですか?


掲載日:2014年6月2日|最終更新日:2019年4月23日

交通事故における後遺障害の有無や等級の程度を判断しているのは、損害保険料率算出機構という機関です。

自賠責保険の損害調査の一環として、損害保険料率算出機構の内部に自賠責損害調査事務所という部署が設けられており、この自賠責損害調査事務所が調査を行っています。

 

後遺障害の認定機関

交通事故にあって、一定期間治療を行っても症状が改善しなかった場合、被害者の方に残った後遺症を保険会社に補償してもらうため、後遺障害の申請を行うことになります。

この後遺障害の申請手続について、治療費をそれまで支払っていた相手方の保険会社は、治療の終了のタイミングを被害者と話し合う際に、「症状が残っているようであれば後遺障害の申請をすることができますよ」と案内することがあります。

このような案内を聞くと被害者の方としては、相手方の保険会社の内部で後遺障害の有無や等級を決めているのかと思ってしまいますが、実は違います。

そのため、案内をしている保険会社の担当者自身も後遺障害の判断権限があるわけではなく、あくまで一般的な説明をしているにすぎないということになります。

交通事故における後遺障害の有無や等級の程度を判断しているのは、損害保険料率算出機構という機関です。

 

 

損害保険料率算出機構とは

この損害保険料率算出機構は、「損害保険料率算出団体に関する法律」という法律に基づいて設立されている団体です。

損害保険が普及するに当たって、損害の算定が恣意的になされると、制度として成り立つことができず、被害者の方の納得感は決して得られません。

そのため、損害を適切に算出する機関を用意することが損害の公平な分担という観点から必要と考え、設立されたのが損害保険料率算出機構ということになります。

この損害保険料率算出機構は、損害保険を取り扱う保険会社が会員となって運営されており、その意味では、保険会社が全く関わっていないというわけではありません。

(現在の会員は損害保険料率算出機構のHPに掲載されています。)

しかしながら、先ほど説明したとおり、保険会社の内部で後遺障害を判断するのと比べて、第三者が後遺障害の審査に関わるという形にはなっています。

交通事故の後遺障害については、自賠責保険の損害調査の一環として、損害保険料率算出機構の内部に自賠責損害調査事務所という部署が設けられており、この自賠責損害調査事務所が調査を行っています。

順位のイメージ画像自賠責損害調査事務所は、平成31年4月1日時点で全国に54か所設置されています。

デイライト法律事務所北九州オフィスのある北九州市の案件を担当するのは、福岡第一自賠責損害調査事務所と福岡第二自賠責損害調査事務所となっています。

そして、各調査事務所をエリアごとに統括するために、7か所の地区本部が設けられています。

本部は東京にあります。

また、高次脳機能障害の後遺障害といった非常に専門性の高い特殊な案件については、自賠責損害調査事務所で必要な資料を整理したのちに自賠責保険審査会という特別な部署に記録が送られて判断がなされるという流れになります。

 

 

損害保険料率算出機構が後遺障害の判断をするまでの流れ

損害保険料率算出機構が後遺障害の判断を行うまでの流れをご説明します。

①被害者の方が後遺障害の申請を被害者請求の方法で行う場合、後遺障害診断書といった必要な書類一式を相手方の自賠責保険会社に送付します。※この段階では、書類の送付先は自賠責損害調査事務所ではないので注意が必要です。

②書類を被害者から受け取った自賠責保険会社は、書類が不足していないかどうか形式面のチェックをした上で、被害者の案件を担当するエリアの自賠責損害調査事務所に記録を送ります。

③自賠責損害調査事務所に書類が届き、自賠責損害調査事務所は後遺障害の判断を行います。

④自賠責損害調査事務所は判断結果(後遺障害に当たるかどうか、等級とその理由)を自賠責保険会社へ通知します。

⑤自賠責保険会社が被害者への案内書類を作成して、被害者へ結果を通知します。

 

被害者の方が自賠責損害調査事務所と関わることがあるのは、追加資料を求められたり、醜状障害の後遺障害の場合の面談調査を行ったりする場合です。

また、調査に時間がかかっている場合には、被害者に進捗状況を報告するために、自賠責損害調査事務所から被害者宛に書類が届くこともあります。

損害保険料率算出機構が後遺障害の判断を行わない場合がある?

自転車同士の事故このように交通事故の後遺障害の判断は、原則として損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所という部署が行っていますが、例外もあります。

典型的な例としては、自転車の交通事故の場合です。自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故の場合、自転車は自賠責保険に加入しておらず、自賠責保険は使用できません。

もっとも、自転車事故でも後遺症が残ることは多くあり、自転車保険の保険会社が被害者の賠償をしなければならないのは、自賠責保険が使用できる場合と変わりません。

そこで、この場合には保険会社自身が後遺障害の判断を行うという形をとります。

交通事故の後遺障害の手続は被害者の方にとって重要なものです。

そのため、どのように判断がなされるのかということをしっかりと把握しておくことも大切になってきます。

 

 

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