よくある相談Q&A

後遺障害の認定手続きはどうする?


掲載日:2014年6月2日|最終更新日:2019年4月23日

後遺障害の認定手続きには、事前認定と被害者請求という2つの方法があります。

交通事故における後遺障害の認定手続き

バイク事故のイメージイラスト交通事故にあってけがをした場合、病院で治療を行います。

もっとも、すべてのけがが完治するわけではなく、中には完全には治らず後遺症が残ることがあります。

この後遺症を自賠責保険の後遺障害として取り扱ってもらうためには、後遺障害の認定手続きを行う必要があります。

この後遺障害の認定手続きには、事前認定と被害者請求という2つの方法があります。

 

事前認定と被害者請求を行うまでの共通の流れ

手続きに行きつくまでの流れは、どちらの手続きを選択しようとも、以下1〜4の同じプロセスとなります。

  1. 交通事故にあう
  2. 医療機関で治療を行う
  3. 医師から症状固定と診断される
  4. 残存する症状を後遺障害診断書に記載してもらう

 

 

事前認定とは?

事前認定とは、相手方の保険会社を通じて後遺障害の認定手続きを行う方法です。

この方法は、相手方保険会社が被害者の方に賠償金の提示をし、示談交渉を進めるために、被害者に後遺障害があるかどうかを確認するために行うものです。

示談交渉に先立つ手続きのため、事前認定という名前がついています。

この手続きでは、被害者の方は医師から作成してもらった後遺障害診断書を相手方保険会社へ提出すればOKです。

 

事前認定の手続きの流れ

 

①被害者が相手方保険会社へ後遺障害診断書の原本を送付する

②相手方保険会社が診断書や明細書、レントゲン画像などを取得する

③相手方保険会社が必要書類を送付し、後遺障害の調査を行う

④調査の結果が出たら、被害者へ結果を通知する

  メリット  
被害者の方は保険会社に手続きのほとんどを任せることになるため、負担が非常に少ないというのが特徴で、この点がメリットになり得ます。

 デメリット 
保険会社に任せる分、手続きの中身が被害者の方には見えづらいという特徴があり、この点はデメリットと捉えることができます。

   注意点    
被害者は念のため保険会社に送る後遺障害診断書はコピーをしておいたほうがよいでしょう。

 

 

被害者請求とは?

後遺障害の認定手続きのもう一つである被害者請求は、被害者側で後遺障害の申請を行う方法です。

被害者請求の手続きの流れ

 

被害者が相手方保険会社から事故証明書や診断書などの必要書類を取得する

医師から後遺障害診断書を作成してもらったら、まず被害者請求のために必要な事故証明書や診断書、明細書を相手方保険会社から入手します。
治療費を相手方の保険会社に支払ってもらっている場合には、保険会社が治療費を支払うために、後遺障害の認定手続きにも必要となる診断書や明細書を医師に作成してもらっていますので、そのコピーをもらうようにします。

被害者が病院でレントゲンやMRI画像を取得する

事前認定と異なり、被害者の方が自ら治療をした病院からレントゲンやCT、MRIなどの検査画像を取得しなければなりません。
検査した病院が1か所であれば手続きをするのは1か所だけになりますが、複数の病院で検査をした場合には、原則としてすべての病院の検査画像を準備しておく必要があります。

被害者が印鑑証明書といった本人書類を準備して、自賠責保険会社に書類を送付する

被害者請求に必要な書類を集めたら、印鑑証明書を役所で取得し、自賠責保険会社の支払指図書という書類に必要事項を記入して、最寄りの自賠責保険会社へ書類を郵送します。

自賠責保険会社が調査事務所に書類を送付して後遺障害の調査を行う

被害者が書類を郵送することで、自賠責保険会社は書類の不足がないかを確認して、後遺障害の調査を行う自賠責損害調査事務所へ書類を送付します。

調査の結果が調査事務所から自賠責保険会社へ通知される

調査が終了したら自賠責損害調査事務所がその結果を自賠責保険会社へ知らせます。

自賠責保険会社から被害者へ結果を通知する

被害者の方に書面で結果が郵送されます。

後遺障害に該当している場合、被害者へ自賠責保険金が振り込まれる

後遺障害があると認定された場合には、自賠責保険会社より被害者の指定した口座に自賠責保険金が振りこまれます。

上記⑦が事前認定とは違う点です。

事前認定ではあくまで示談交渉のための手続きとして後遺障害の認定を行っているため、示談が成立するまではお金を受け取ることができません。

しかしながら、被害者請求の場合、相手方保険会社と示談が成立していない段階で後遺障害について、一定のお金を受けとることができるのです。

 

 

後遺障害の認定手続きに必要となる主な書類

ここまで説明してきた後遺障害の認定手続きにおいて、必要となる主な書類は以下のとおりです。

必要となる主な書類
  1. 交通事故証明書
  2. 事故状況説明書
  3. 後遺障害診断書
  4. 治療期間すべての診断書、明細書
  5. 検査画像(レントゲン、CT、MRI)
  6. 車の損傷状況がわかる資料(写真や修理見積書)
  7. 印鑑証明書、委任状(被害者請求の場合)

この他にも、治療期間中に会社を休んでいた場合には休業損害証明書を添付することもあります。

 

 

「事前認定」と「被害者請求」どちらの手続きがよい?

弁護士西村裕一後遺障害の判断をする機関は、事前認定と被害者請求とで違いはないため、全く同じ書類を事前認定と被害者請求とでそれぞれ送付した場合、結果が手続きの違いによって異なるということはありません。

しかしながら、交通事故の専門家である弁護士としては、被害者請求による後遺障害の認定手続きをおすすめします。

その理由は大きく2つ挙げられます。

 理由その1 後遺障害が認定された場合に自賠責保険金を示談交渉に先立って受けとることができる

後遺症に苦しむ被害者の方にとって、賠償金が早く受け取れるということも大切になってきます。
そのため、示談が成立する前に一定のお金を受けとることで、保険会社との示談交渉をしっかりと納得いくまで行うことができるようになります。

 理由その2 自賠責保険会社へ書類を送る前の段階でしっかりと書類のチェックができる

事前認定の方法では、相手方の保険会社に手続きを委ねてしまうため、被害者の側でチェックを行うというのがどうしても難しくなってしまいます。
しかし、被害者請求の手続きを選択すれば、自分で手続きを主導できるため、補足資料を作成したりして適切な後遺障害が認定される可能性を高める余地が出てきます。

 

 

被害者請求のデメリットを補うには?

もっとも、被害者請求の手続きは、自分で手続きを主導する分、手続きに必要となる書類や画像を被害者自ら手配しなければならないという点がデメリットになり得ます。

すなわち、費用や労力がそれだけかかってしまうということです。

被害者の方にとっては、人生で1度あるかどうかの交通事故でいきなり被害者請求をするとなっても、何から手をつけてよいかわからず、手続きが全然進められないということも起こり得ます。

こうした被害者請求のデメリットを補うためには、被害者の方で交通事故を専門とする弁護士に相談、依頼してサポートを受けることが重要になってきます。

弁護士に依頼すれば、弁護士が被害者の代理人として被害者請求の手続きを行うことができるため、必要書類の取得や病院の画像取付けなどをサポートしてもらうことが可能になります。

 

 

関連Q&A


交通事故よくある相談Q&A一覧

なぜ交通事故は弁護士に依頼すべきなのか?

お問い合わせ Web予約