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股関節脱臼・骨折で後遺症(後遺障害)は認定される?


掲載日:2017年5月8日|最終更新日:2019年6月11日

車に乗る男女のイラスト自動車の助手席に乗車中、交通事故による衝突で股関節脱臼・骨折と診断されました。

どのような場合に後遺障害に認定されますか?

車椅子のイメージ画像交通事故で股関節を脱臼・骨折すると、股関節の可動域制限や股関節に痛みが残るという後遺症が生じてしまうことがあります。

この場合、後遺障害が認定される可能性がありますので、後遺障害の申請を行う必要があります。

 

股関節脱臼・骨折とは

骨股関節脱臼・骨折とは、交通事故の衝撃で股関節に大きなエネルギーが加わることにより起こります。

脱臼とは、関節が本来あるべき場所から動いてしまい、外れてしまうことをいい、骨折は股関節を構成している大腿骨が骨折することをいいます。

脱臼には、大きく分けて後方脱臼、前方脱臼、中心性脱臼(寛骨臼骨折)がありますが、股関節脱臼に多く発症するのは、後方脱臼です。

脱臼は股関節の他には、肩関節で比較的起こりやすいとされています。

「脱臼」と聞くと、骨がずれる程度で軽いけがという印象がありますが、骨の損傷や脱臼した周辺の組織の損傷、神経の損傷を伴うことがあります。

特に、股関節脱臼はすばやく脱臼を整復しないと周囲の骨が壊死することがあるので注意が必要です。

交通事故で股関節を脱臼してしまうケースとしては、自動車事故の正面衝突の際、座席に座っていて、ダッシュボードに膝を打ち付けてしまうことで、股関節に前方から後方に大きな力が加わり、大腿骨(骨頭)が後方にずれるという場合が想定されます。

股関節脱臼・骨折の症状としては、脱臼部分の痛みや腫れ、股関節の運動制限が発生します。

 

 

股関節脱臼・骨折の後遺症

股関節を脱臼した場合、すぐにずれた股関節を元の場所に戻す整復処置を行うことで、回復を期待することができますが、整復が遅れてしまったり、脱臼だけでなく、股関節の骨折も生じてしまったりしていると、後遺症が残る可能性があります。

具体的には、股関節が脱臼、骨折した側について動かせる範囲が狭まってしまう①可動域制限の後遺症、脱臼、骨折した股関節の周辺部の痛みが完全には取れない②痛みの後遺症という2つ後遺症が残るリスクがあります。

 

 

股関節脱臼・骨折の後遺障害

そこで、交通事故で股関節脱臼・骨折の後遺症が残ってしまった場合、自賠責保険の後遺障害の認定を受けることを検討しなければなりません。

保険会社に被害者の後遺症を補償してもらうためには、後遺障害の認定を受けなければなりません。

股関節脱臼・骨折の後遺障害については、自賠責保険で以下の等級が設定されています。

①可動域制限の後遺症

股関節脱臼・骨折によって可動域が狭まってしまった場合、以下の等級が認定される可能性があります。

10級10号  1下肢の3大関節中の1関節に著しい機能の障害を残すもの
脱臼・骨折をしていない側の可動域と脱臼・骨折をした側の可動域とを比べて、可動域が2分の1以下に制限されている場合
12級7号  1下肢の3大関節中の1関節に機能の障害を残すもの
脱臼・骨折をしていない側の可動域と脱臼・骨折をした側の可動域とを比べて、可動域が2分の1までには至らないものの4分の3以下に制限されている場合

この等級に該当するかどうかの判断は、後遺障害診断書に記載された可動域をもとに行います。

股関節の主要運動は、屈曲・伸展と外転・内転という運動になります。

屈曲は、あおむけの状態から足を体の内側に曲げる動きで参考可動域は125度とされています。

したがって、脱臼・骨折をしていない側の屈曲角度が125度の場合、10級10号に該当するのは60度、12級7号に該当するのは、90度ということになります。

なお、股関節脱臼・骨折により、股関節を構成している大腿骨の骨頭が壊死してしまった場合、壊死した骨を人工骨に変更する手術を行います。

この手術を行った場合には、可動域制限が2分の1以下に至っていない場合でも10級10号が認定されることになっています。

そして、人工骨頭に置き換えた場合で、可動域も2分の1以下になってしまっている場合には、10級10号よりも上の等級である8級7号の「1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの」が認定されます。

 

②痛みの後遺症

股関節脱臼・骨折のけがをして、股関節の痛みが完全には消えなかった場合、自賠責保険では、12級もしくは14級が認定される可能性があります。

  • 12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 14級9号   局部に神経症状を残すもの

 

 

股関節脱臼・骨折のけがをしたら

ここまで解説したとおり、股関節脱臼・骨折のけがをした場合には、一定期間治療を行っても後遺症が残ってしまう場合があります。

後遺症を適切に後遺障害として認定してもらうためには以下の点に注意しておく必要があります。

可動域検査をきちんと受ける

可動域の制限に関する後遺障害は、後遺障害診断書に記載された可動域の数値を見て判定がされます。

したがって、可動域の後遺障害の認定を受けるにあたっては、きちんと可動域検査を受けるということが重要になります。

この検査をきちんと受けておかないと本当は後遺障害が認定されてもおかしくないケースなのに、基準に該当しないとして後遺障害が認定されないといったことになってしまいます。

そうなると、被害者の方に生じた後遺症を補償してもらうことが困難になってきます。

 

後遺障害の補償をきちんと請求する

後遺障害が認定された場合には、保険会社に後遺障害慰謝料と逸失利益という2つの補償を請求することが可能になります。

この補償については、①自賠責保険の基準、②任意保険会社の基準、③裁判所の基準という3つの基準のどれを用いるかによって金額が変わってきます。

具体例 股関節脱臼・骨折による可動域制限で12級7号が認定された場合

被害者(50歳)の年収 :500万円
基準 :裁判所の基準


後遺障害慰謝料は、290万円

逸失利益は、500万円 × 14% × 11.2741 = 789万1870円

合計で、1079万1870円が請求額の目安となってきます。

12級7号の自賠責保険の額は224万円ですので、その差が800万円以上になってきます。

このように後遺障害が認定されたら賠償額も大きく変わってきます。

人身傷害チーム画像適切な補償を得るためには、専門家である弁護士に示談交渉を依頼することも検討することが大切です。

 

 

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