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後遺障害が認定されたら何が変わるのですか?


掲載日:2014年6月2日|最終更新日:2019年4月23日

後遺障害が認定されたら、「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」という2つの補償を求めることができるようになります。

「後遺障害が認定される」ということは何を意味するのか?

上半身を怪我した女性のイラスト交通事故にあってけがをした場合、治療を一定期間行っても完全には症状が治らないということがあります。

この段階のものは、交通事故の後遺症と捉えられるものです。

こうした後遺症が被害者に残った場合には、後遺障害の認定手続きを行います。

そして、自賠責保険が設定している基準に則って、被害者の方に残っている後遺症が後遺障害として認定されると、それは交通事故において法的な補償対象となるということを意味しています。

すなわち、交通事故による後遺症については、一定の基準を満たしたものだけが保険会社から補償してもらうことができるのです。

そのため、後遺症 > 後遺障害という関係になります。

被害者の方の後遺症に対する補償を保険会社に請求するためには、自賠責保険の後遺障害の認定を得る必要があります。

 

 

後遺障害が認定されたら

後遺障害が認定されたら、保険会社に対して、被害者の方に残った症状について補償を求めることが可能になります。

後遺障害の補償というのは、具体的には2つあります。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残存したことで被害者が感じる精神的な苦痛を慰謝するものです。

けがをして通院を余儀なくされたことに対する慰謝料である傷害慰謝料とは別の慰謝料になります。

そのため、後遺障害が認定されたら、傷害慰謝料と後遺障害慰謝料の2つの慰謝料を請求することができるようになります。

 

逸失利益

頭痛男性のイラスト後遺障害が認められることでもう一つ請求可能になるのが、逸失利益です。

逸失利益とは、被害者に残った症状がこれからの将来、日常生活や仕事、家事にどの程度マイナスの影響を与えるかどうか、収入が減少するリスクを補償してもらうためのものです。

このように、後遺障害慰謝料と逸失利益という項目の補償を求めることができるようになります。

当然、後遺障害が認定されない場合に比べて、賠償金の額は高額になります。

 

 

後遺障害慰謝料の目安

それでは、後遺障害慰謝料の金額はいくらになるでしょうか?

後遺障害慰謝料の目安となる基準には、傷害慰謝料と同じく3つあります。

後遺障害慰謝料の基準
  1. 自賠責保険の基準
  2. 任意保険会社の基準
  3. 裁判基準

このうち、任意保険会社の基準は外部には公表されていないため、自賠責保険と裁判基準の後遺障害慰謝料の目安額をみていきます。

 

後遺障害慰謝料の裁判基準と自賠責保険基準の比較
裁判基準 自賠責保険基準 裁判基準と自賠責保険基準の差額
1級 2800万円 1100万円 1700万円
2級 2370万円 958万円 1412万円
3級 1990万円 829万円 1161万円
4級 1670万円 712万円 958万円
5級 1400万円 599万円 801万円
6級 1180万円 498万円 682万円
7級 1000万円 409万円 591万円
8級 830万円 324万円 506万円
9級 690万円 245万円 445万円
10級 550万円 187万円 363万円
11級 420万円 135万円 285万円
12級 290万円 93万円 197万円
13級 180万円 57万円 123万円
14級 110万円 32万円 78万円

このように、自賠責保険の基準と裁判基準では、慰謝料の目安となる金額に大きな違いが出てきます

この差は1級へと等級が上がるに従って大きくなります。

 

 

逸失利益の計算方法

次に、逸失利益の計算方法についてみていきましょう。

逸失利益の計算方法
基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

逸失利益を算出するためには、1基礎収入、2労働能力喪失率、3労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数の3つの数字を導き出す必要があります。

具体例 労働能力喪失期間が5年間となったの場合の逸失利益

後遺障害認定状況 : むちうちで14級9号の後遺障害認定
職業 : 会社員
交通事故にあう前年の年収: 500万円
労働能力喪失期間 : 5年間
労働能力喪失期間(※5年間)に対応するライプニッツ係数: 4.3295


逸失利益の目安額は、500万円 × 5% × 4.3295 = 108万2375円となります。

基礎収入について
基礎収入は、被害者の特性に応じて用いる数字が異なってきます。
例えば、会社員の方であれば、交通事故の前の年の収入が参考値になります。
主婦の方であれば、実際にお金をもらっているわけではないため、賃金センサスという統計資料を用いることになります。
労働能力喪失率について
労働能力喪失率は、認定された後遺障害の等級に応じて、一応の喪失率が決まっています。
労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数について
労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数は、労働能力の喪失がどの程度続くかによって変わってきます。
後遺障害が認定されたら、症状固定時の年齢から原則として67歳までの年数が喪失期間になります。
むちうちの症状による14級9号の事案では、5年間程度を労働能力喪失期間とすることも多いのが現状です。
そして、労働能力喪失期間が5年間とされる場合に、そのまま5をかけてしまうと、5年後の補償をいまの時点で受け取るという点を考慮できなくなってしまいます。
そのために、利息控除の計算を行った数字を用います。
これがライプニッツ係数といいます。

 

後遺障害が認定されたら

このように後遺障害が認定されたら、後遺障害慰謝料と逸失利益という2つの補償を求めることができるようになります。

自ずと保険会社と示談交渉を行う賠償額も大きくなり、被害者の方の今後の生活にも影響が大きくなってきます。

そのため、後遺障害が認定されたら、交通事故を専門とする弁護士に相談して、適切な賠償額の目安がどのくらいになるのかアドバイスをしてもらったほうがよいでしょう。

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