よくある相談Q&A

自転車で走行中、歩行者が飛び出してきて転倒する交通事故にあいました。歩行者に損害を請求できますか?


自転車事故について、北九州で交通事故を専門的に取り扱っているデイライト法律事務所の弁護士が解説していきます。

自転車と飛び出してきた歩行者との交通事故ということですが、これは道路状況にもよりますが、飛び出してきた歩行者にも落ち度があるといえ、事故による損害の賠償責任があり、損害を請求できるケースもあるでしょう。

一度、交通事故を専門とする弁護士にご相談されることをオススメします。

歩行者が責任を負う根拠

自転車は道路交通法上の軽車両に該当します。ですので、運転中に他人にけがをさせないように注意する義務があります。

他方で、歩行者の歩行(公道を歩くこと)は通常、他人に怪我をさせる危険な行為ではありません。

したがって、基本的には、自転車と歩行者であれば、歩行者の方が交通弱者となるため、自転車と歩行者の交通事故においては、自転車の方が賠償責任を問われる可能性が高いのが実情です。

しかし、歩行者の不注意で他人にけがをさせてしまえば、歩行者は損害を賠償する義務を負います。これは民法709条の不法行為責任が法的な根拠となります。

 

 

歩行者の賠償責任が発生するケース

車道上の事故

歩行者が歩行者信号が赤色のときに横断歩道以外のところから車道へ進入してくることや横断禁止場所から車道へ進入してくることを自転車の運転手が予測することは困難です。

歩行者は歩車道の区別がある場合には歩道を通らなければなりません。車道を通る歩行者には重い注意義務が課せられ、事故が起きたとき、歩行者にも過失があるとされます。

したがって、この場合、歩行者は自転車の修理代や自転車の運転者のけがの治療費や慰謝料などの賠償責任を負わなければならなくなる可能性が出てきます。

実際に、以下のような裁判例があります。

判例 車道上の事故で歩行者にも責任があるとした裁判例

歩行者が赤信号を無視して横断歩道によらず車道を横断し、自転車と衝突した交通事故

【仙台地判:平成20年1月30日】

 

歩道と車道の区別のない道路での事故

先ほど、述べたように自転車と歩行者では、歩行者の方が交通弱者のため、自転車には歩行者の動静に注意して走行する義務があります。

保護者しかし、歩行者の予測不可能な行為や飛び出しは、自転車運転手には予測が難しくなります。自転車もバイクと同じで、急には停止することはできず、急ブレーキを踏めば、自転車から投げ飛ばされてしまったり、転倒したりする危険があります。

そのため、予測不可能な行為や飛び出しをした歩行者にも交通事故を発生させた責任があるとされます。

過去には、以下のような裁判例があります。

判例 歩道と車道の区別のない道路上の事故で歩行者にも責任があるとした裁判例

歩行者の自宅の玄関から道路へ飛び出し、自転車と衝突した事故

【京都地判:昭和60年3月27日】


幅3mの車道の中央で遊んでいた子供の動作に驚き、自転車が転倒した事故

【名古屋地判:平成18年10月27日】


団地敷地内の道路において、子供が駐車車両の陰から飛び出し、自転車と衝突した事故

【東京地判:平成17年11月28日】

 

 

歩道上の事故

歩道は歩行者が通行するための道路であり、歩行者が歩道を通る車両に注意する義務は原則としてありません。

道路また、自転車の通行が認められている歩道を自転車が通行する際、歩道に歩行者がいるときには、歩行者が優先のため、自転車は徐行義務、一時停止義務があります。

しかし、歩道は歩行者が通行するための道路であっても、歩行者の全く自由というわけではありません。

歩行者にも他人の通行に注意をする必要はあります。

歩行者の賠償責任が争われた事案としては、以下のような裁判例があります。

判例 歩道上の事故で歩行者側の過失はないとされた裁判例

配達員が配達先から車両に戻るため、歩道に顔を出したところ、歩道を通行する自転車と接触し、自転車側がケガをした事故

【東京地判:平成22年10月19日】


判例 歩道上の事故で歩行者にも過失を認めた裁判例

歩道を歩行していた歩行者が傘を右手から左手に持ち替えたところ、歩道を通行し、追い越そうとした自転車のカゴに接触して、自転車が転倒した事故

【京都地判:平成22年9月30日】

歩道における歩行者の過失が認められた事案では、傘を周りの状況を確認せずに振った形で持ち替えたことが問題視されました。

したがって、現在社会問題となっているスマホを見ながらの歩行で蛇行したり、交差点に不用意に飛び出したりすれば、設例のような自転車との交通事故の場合、歩行者も賠償責任を負う可能性は十分にあると考えられます。

 

 

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